もしも、栗田艦隊が反転しなかったら?のIFを描いた作品
こんにちは、兄のYUです。
本を紹介するなら絶対に最初は「佐藤大輔」さんの作品にしよう!と決めていました。架空戦記作家さんで1番好きな作家さんが佐藤大輔さんなので、この作品は佐藤大輔さんの初期の作品「征途」シリーズの1巻から3巻までを収録した愛蔵版です。
佐藤大輔さんの魅力は緻密な世界観、大胆な歴史解釈を基にしたストーリー展開、血沸き肉躍る戦闘描写、作品に散りばめられたブラックジョークなどなど魅力が一杯です。
レイテ沖海戦で栗田艦隊が反転せずにレイテ沖に突入していたらを皮切りにその後のせかいの歴史がどうなっていくかを「藤堂家」の男たちを主人公に紡がれていく物語です。
歴史的な海戦のレイテ沖海戦を描いたものはたくさんありますが、その後の出来事を半世紀にわたり描いた作品は珍しいと思います。
僕的には「大和」の扱いに非常に満足しています。大胆な歴史解釈や最近の架空戦記の戦闘描写に満足できない人にはオススメです。ただ、ほんの少し残念なのはⅠからⅡ、ⅡからⅢに移る時に時代が大分進むところです。まあ細かく描くときりがないですが、もっと征途の世界に浸っていたいと僕は思いました。僕の好きな場面は、ー「進はそこで言葉を切り、軽く咳払いをした。彼を以前から知っている者だけがその意味に気づいたーーあいつ、照れてやがる。」Ⅲの主人公の藤堂進の会議での1場面ですが、こういう何となくな場面が僕は好きです。
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